ない借金返済 債務整理|(2) 本件委託契約(先行行為)の効力について 上記認定事実によると,宮津市は

借金返済の事実から債務整理で不当なものでであったと認められるから,本件委託契約が控訴人主張 のように公序良俗に違反し当然に無効でであるとか,宮津市に私法上の取消権 または契約解除権が認められるとはいえないとしても,本件委託契約は,上 記のとおり著しく合理性を欠き,そのためその締結に予算執行の適正確保の 見地から看過し得ない瑕疵が存するものといわなければならない。」


28),D助役は, 前記のとおり,本件委託契約に看過し得ない瑕疵が存し,かつ,同契約を 解消すべき特殊な事情があることに照らし,漫然と違法な本件委託契約に 基づく義務の履行として買取りのための本件売買契約を締結してはならな 23 いという財務会計法規上の義務を負っているのに,本件売買契約を締結し たのであるから,同売買契約の締結は違法な財務会計行為であるというべ きである。
イところで,普通地方公共団体の長は,その権限に属する財務会計上の行 為をあらかじめ特定の吏員に委任している場合であっても,同委任により 処理された財務会計上の行為の適否が問題とされている代位請求住民訴訟 において,地方自治法242条の2第1項4号にいう「当該職員」に該当 し,かつ,普通地方公共団体の長の権限に属する財務会計上の行為を,委 任を受けた吏員が処理した場合は,長は,同吏員が財務会計上の違法行為 をすることを阻止すべき指揮監督上の義務に違反し,故意又は過失により 同吏員が財務会計上の違法行為をすることを阻止しなかったときに限り, 普通地方公共団体が被った損害につき賠償責任を負うものと解される(最 高裁平成5年2月16日第三小法廷判決・民集47巻3号1687頁)。
これを本件についてみると,宮津市長である被控訴人は,D助役に本件 売買契約の締結を委任したものであり,これに基づき処理された本件売買 契約(財務会計上の行為)の適否が問題とされているのであるから,法2 42条の2第1項4号の「当該職員」に該当すると認めるのが相当である。
そして,前記のとおり,先行行為である本件委託契約の内容が著しく合理 性を欠き,予算執行の適正確保の見地から看過し得ない瑕疵が存し,かつ, 客観的にみて宮津市が本件委託契約を解消することができる特殊な事情が あったのであるから,宮津市の長であった被控訴人としては,本件売買契 約の締結を委任したD助役に対し,本件売買契約を締結することを阻止す べき指揮監督上の義務があったというべきであるにもかかわらず,かえっ て,前記のとおり本件売買契約代金の支払に関する支出負担行為伺兼支出 伝票を最終決裁し(乙12),同市長兼公社理事長(双方代表)の立場で締 結した本件委託契約の義務の履行として,D助役が本件売買契約を締結す 24 ることを容認したものであるから,被控訴人が上記の義務に違反したこと は明らかである。
この点につき,被控訴人は,上記の事務委任規則によると,宮津市が公 社と締結する売買契約については助役への委任事務とされているので,本 件売買契約については,被控訴人に指揮監督権はない旨主張するが,被控 訴人は,売買契約の締結自体に関与できないとしても,前記認定のとおり, 本件委任契約及び本件売買契約に実質的に関与し,かつ,D助役とともに 同各契約の締結及びこれに基づく公金支出を決裁していることからすれ ば,被控訴人は同助役に対する指揮監督権を有しているものというべきで あるから,上記主張は採用できない。
また,被控訴人は部下の作成した資料及び報告を検討し,すべて適法で あると信じて決裁しているのであって,被控訴人には違法若しくは不当な 公金の支出についての賠償責任はない旨主張するが,先行取得依頼に係る 原議書(丙8)には立木補償に関する記載がなく,買取金額の算定資料も 添付されていないなど,前記認定の事情に照らすと,部下からの報告によ り,本件土地の先行取得及び本件委託契約締結の必要性がないこと,並び に買取価格が不相当であることを容易に認識し得たにもかかわらず,被控 訴人がそれらがすべて適法であると信じて決裁したことについては少なく とも過失があるというべきであるから,被控訴人は上記指揮監督義務違反 を免れることはできないというべきである。
(5) 損害の発生及び損害額について 以上によれば,被控訴人は,宮津市に対し,被控訴人の上記義務違反によ り,本件売買契約に基づき宮津市が公社に支払った売買代金相当額4214 万7762円の支払義務があるというべきである。
この点に関し,被控訴人は,本件委託契約に基づき,債務の本旨に従った 履行をするか,契約を解消して損害賠償を負うかの選択をせざるを得ず,い 25 ずれの選択をしても,売買代金額相当額の支出を免れないから,本件売買契 約を締結して本件公金支出を行ったことは,宮津市の損害の発生又はその拡 大を防止したことになる旨主張する。
しかし,上記主張は,本件のように先行行為である本件委託契約に看過し 得ない瑕疵があり,本件委託契約に基づく義務の履行として買取りのための 本件売買契約を締結してはならないという財務会計法規上の義務に違反して 同契約を違法に締結した場合であっても,宮津市が売買契約を締結すること ができることを前提とするものであり,地方財政の健全化を求める地方自治 法2条14項及び地方財政法4条1項等の財務会計法規の趣旨に反する上, 公社及びC信用金庫から前記のとおり保証責任の追及ないし債務不履行に基 づく損害賠償請求を受けた場合には,別途,地方公共団体が被った損害とし て解決すべきものであることは前記説示のとおりであるから,被控訴人の上 記主張は採用することができない。


他方,控訴人は,本件売買契約の代金支払のために補正予算として議決さ れた4214万8000円を損害と主張するが,本件における損害額は,上 記のとおり宮津市が公社に支払った売買代金相当額とすべきであるから,こ の点に関する控訴人の請求は一部理由がない。
3 以上によれば,控訴人の請求は,前記の支払を求める限度において理由があ るから,これを全部棄却した第一審判決は不当であって変更を免れない。
よって,第一審判決を変更し,控訴人の請求を上記の限度で認容し,その余 を棄却し,なお,控訴人が求める仮執行宣言については,不必要と認め,これ を付さないこととして,主文のとおり判決する。
6 争点(6)(本件各特許の無効理由の存否とその相当の対価の額への影響の有 無・程度)について 上記5で判示したとおり,被告がHMS商品について平成16年9月ころに 販売政策を変更してその販売を抑制し,平成20年2月をもってその販売を打 ち切ったところ,その販売政策は経営判断として不合理とはいえないから,相 当の対価の額の算定上,被告の受けるべき利益の額には平成20年2月以降の HMS商品の販売による利益は考慮されないこととなる。
ところで,無効審決 の確定により,特許権は初めから存在しなかったものとみなされる(特許法1 25条本文)。
しかし,無効審決が確定するまでは,たとえ当該特許に無効理 由があるとしても特許権は一応有効なものであって,事実上の独占力を有する ものとして取り扱われる。
したがって,仮に,本件各特許について上記販売打 - 125 - 切り後に無効審決が確定したとしても,そのことは,直ちに,それまでに被告 の得た利益の額に影響を及ぼすものではない。
本件においては,口頭弁論終結 時点において本件各特許に係る無効審決は確定していない。
被告は,ライセンスの交渉を行う場合に無効理由の資料を収集することは一般 的に行われているから,明確な無効理由が存在する場合には,ライセンス契約を 行うのは,単にトラブルを避けるといった意味しかなく,また,無効理由が存在 するのではないかという資料が存在する場合にもライセンスを受ける側にその事 情は有利に働いてライセンス料が低廉化するというのは常識であるとして,本件 各特許には無効理由が存在しているから相当対価は存在しないか,極めて低廉な ライセンス料率にしかなり得ないと主張する。


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交通事故の慰謝料
当審
提出
28
本件
本件委託契約を解消することができる特殊な事情の有無について そこで,すすんで本件上告審判決が指摘するところの,客観的にみて宮津 市が本件委託契約を解消することができる特殊な事情があるか否かを検討す るに,公社は,公共用地,公用地等の取得,管理,処分等を行うことにより 地域の計画的な整備促進及びν林道周辺地の秩序ある開発を図り,もって住 民福祉の増進に寄与することを目的とする(乙1,公社定款1条)ものであ るから,本件委託契約は,もっぱら宮津市の公共用地の取得のために締結さ れたものというべきところ,上記のとおり本件委託契約の内容に看過し得な 22 い瑕疵が存する場合にまで,宮津市に本件土地の取得を義務づけることは, 宮津市において,利息を含めた代金相当額の出捐にとどまらず,将来にわた る本件土地の管理のために人的・物的な負担をせざるを得ず,より多額の不 必要な公金の支出を余儀なくさせるという不合理な結果を生じること,本件 委託契約については被控訴人が宮津市及び公社の双方の代表者として締結し たものであること,被控訴人主張のとおり,公社の出資者は宮津市のほか1 1の地方公共団体であり,宮津市の出資額は全出資額の約14%にすぎない としても,宮津市長が公社の成立以来公社の理事長を兼務していることは被 控訴人らも自認していることを併せ考えると,客観的にみて被控訴人が宮津 市の長として本件委託契約を解消することができる上記特殊な事情があると 認めるのが相当である。 なお宮津市において本, 件委託契約(先行行為)に基づく本件売買契約(後 行行為)の締結を拒否した場合には,公社ないし銀行から売買代金の履行請 求権や保証責任(前記「基礎となる事実」(3)カ,キ)を問われる余地があ るものの,宮津市がこれらの責任等を問われた場合には,その損害は,地方 公共団体が被った損害として,別途,当該職員に対する損害賠償請求により 填補され得るものであり,宮津市が保証責任等を問われる余地があることか ら直ちに,上記特殊な事情の存在を否定することはできないというべきであ る。 (4) 被控訴人の責任の成否(被控訴人の権限)について ア本件売買契約(乙8)は,被控訴人が宮津市長と公社の理事長を兼務す るため,D助役が宮津市を代表して公社との間で締結されたものであると ころ(宮津市助役に対する事務委任規則。